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上野駅助役 遠藤 綾子さん 
   

       
原点はファーストフードのアルバイト
大学4年間はファーストフードのお店でアルバイ トをして、店長の代わりにお店の管理まで任され ていました。どこに誰を配置したらよいか、とか、 どの食品をどれくらい仕入れたらよいかなどとい うことです。この間、チェーン店の「接客コンテス ト」では毎年優勝していました。
 この頃から仕事に対してもやりがいを感じるよう になりました。
 就活にあたり、アルバイト先からは「他のところ をどこでも受けて結構。最後にどこにも行けなか ったら是非うちへ来てほしい。」と言っていただき ました。自分では旅行業を希望していましたので、 ある日電車の中刷りでJR東日本の募集広告を 見 て、会社説明会に行き、応募しました。JRなら 『み どりの窓口』もあるし、いろいろなお客様と出 会え ると思ったのです。
 いろいろな部署を経験
 JR東日本の応募者数は 10,000 人くらいで、 試験は一次から四次面接までありました。第一 次試験がグループディスカッション方式だったの で思わず「やった!」と思いました。大学での就 活講座で勉強した経験が活かせる、と。四次の 試験を経て、私は晴れてJR東日本の社員とな りました。
入社後、東北新幹線グリーン車への 乗務、乗務員運用計画、苦情対応、各種サー ビス施策実施、列車の運行管理、朝のTV情報、 広報活動と、営業、輸送、総務全般をこなしてき ました。現在は上野駅「みどりの窓口」の管理全 般を行なっています。
 新幹線の車掌時代に , 那須御用邸に向かわ れる天皇・皇后両陛下を担当したこともあり ます。
     
「カシオペア」の前で
 使命感を持って・・・
 実践時代の「お礼法」の授業では「たしなみ」と「しつけ」、人間としての基礎を学びました。これは社会人としても母親としても大切なことです。いろいろな環境の中で、女性ならではの出来ることが沢山あるように思います。また、仕事上で必要なことは気配りとフットワークでしょうか。ぐずぐず考える前に行動あり、です。でも、行動する際には何より「冷静さと情熱」が大事ですが。
 立場上、私の発言はJR東日本の発言となりますので、とても責任を感じます。ひとたび事故が起きれば沢山のお客様にご迷惑をおかけすることになります。事故の時、女だからといってたじろいでいるわけにはいきません。「大丈夫です!ご安心ください!」と大きな声で言って皆様に安心していただかないといけません。お客様の命をお預かりしているのです。私の指示一つで事故が起きかねないのです。緊張感はいつでも持っていますし、仕事に対して使命感を持っています。
 男女機会均等法が施行されても現実には女性の意識はまだ低いですし、男性の見る目も厳しいことが多々あります。「女だからダメだ」には負けたくありませんし、後輩から目標にされる存在でありたいと常に思っています。
 
2007 年 10 月 1 日刊「なよたけ情報版」掲載